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元麻布農園にOPENの面々が、続々集結。
ひつじ不動産も協力する「生産者」「料理人」「アーティスト」「消費者」をつなぐ食とアートの参加型インスタレーション・プロジェクト"OPENharvest"。
2011年11月2~3日の2日間に渡って開催されるメインイベントを目前に控え、関係者はあれやこれやと開催の準備に向けて汗を流しています。羊社もOPENメンバーの滞在先を確保するための調整に駆け回ったものの、この段階では、もはや遠くからエールを送るのみ。
実は今回は来日するスタッフも日本側も、みんな手弁当で集結する非営利プロジェクト。非営利だから素晴らしいなんて言うつもりはありませんが、それが彼らの選択であり、よって現場はとにかく、色々と大変そう。
ということで今回は、そんな粋なメンバーの多くが滞在する元麻布農園レジデンスで行われた、OPENharvest開催に向けたミーティングの様子をお伝えしたいと思います。
日も落ちかけて、エントランスを彩る迫力満点のハサガケも、より一層しぶいムードを漂わせ始める10月18日、午後18時前。
この日は、3名の女性メンバーが元麻布農園レジデンスにやってくる日でもあります。
部屋に荷物を置いてすぐ、荷ほどきもままならぬ内にリビング前の玄関に並んでもらい、記念写真をぱちり。3人ともOPENharvestの様子を記事や動画などで情報発信する、食に関するメディアを普段から手掛ける顔触れ。
広くメッセージを発することも大切なこのプロジェクト。重要な役割を担うのは、シェフだけではないのです。
彼女はC3(C-203)号室に入居するサーシャ(SASHA WIZANSKY)。
サンフランシスコ発、肉と肉文化に関わるアートとアイデアの季刊誌”MEAT PAPER”の発行者、そしてアートディレクターでもあります。
カヨコ(KAYOKO AKABORI)とヨーコ(YOKO KUMANO)は、日本食と飲み物にフォーカスを当てたブログスタイルの食のメディア“Umamimart”のメインメンバー。
ヨーコは東京に5年間滞在していたこともあり、生産地の様子や生産者へのインタビューを動画で配信したりするのだそう。ちなみにこの後、2人はさっそく麻布十番へ繰りだしてソバを取材した様子。
さて、取材を進めていると、ラウンジにアメリカからやってきたメンバーがぞろぞろと集まってきました。
来日してから日本全国の生産地を訪れて、生産者と直接対話しては、さまざまな食材に触れる毎日を過ごしている彼ら。
集まるメンバーの中には、お互いに手土産を持ってくる人もチラホラ。
このとおり、いつの間にかダイニングテーブルには栗ご飯なんかが並んでいます。
おいしそうなテーブルの食べ物をつつきながら話合っている姿は、とにかく楽しそうで、おいしそう。皆、ものすごく仲良しでもあるみたい。
もちろん帰宅した元麻布農園レジデンスの入居者さんも入り交じったりして、自然にコミュニティが生まれてくるところもシェアハウスならではの風景。
ミーティングが始まる前に、OPEN創始者の1人でもあるシェパニースのヘッドシェフ、ジェロム(Jerome Waag)が、OPENharvestについて話してくれました。
Q. OPENって、なんですか?
OPENrestaurantを始めたのは、いつも僕らのレストラン「シェパニース」でやっていることを仕組み化して、もっともっと世の中の食を発見し、探求するためです。これはシェフとしてだけでなく、知識や社会問題に対する自分の考えなどについて、自分自身が深く考える機会にもなっています。
Q. 東京で開催されるOPENharvestには、どんな意義があるのですか?
自分たちが日々、口にしている食物がどこから来ているのかを知ること、誰が育てているのか、誰が運び、誰が加工し、誰が売っているのか、それは一体どんな理由なのかといったことを知ることが、とても大切だということを知ってもらいたいと思います。
食べることは自分をつくることであると同時に、実は様々な社会問題にも繋がっています。どこで何を食べるのかを選択することは、自分がどのように世界と繋がっていくかを決めることであり、食物との関わり方に関心を持つことは、自分たちが生きている世界を知ることでもあります。
例えばここ(元麻布農園)の庭に野菜を育て、それを食べるということはシンプルです。食に対する意識のある人達が栽培しているのでしょうし、きっとオーガニックな手法を用いているのでしょうからヘルシーでもあるはずです。
しかし一方で、例えばフランチャイズ・チェーンで口にする食物の背景には、まったく別の物語があります。日常のなかで私達が何かを口にする時("Unpacking" = 開封する、という言葉を使います)、実は毎回、そうした一連の食物に関する物語を口にしているのです。
だから、「いつ、どこで、何を食べるのか」という選択は、ある意味でとても政治的な選択でもあります。大地を走り回って育ったチキンを食べることと、暗く、やかましい小屋の中で身動きもできずに、多くの薬剤を与えて育てられた大量生産のチキンを食べることは、全く異なります。
食物を口にする時、私達は常にそれぞれの物語の中から、一方を選択しているのです。食べるということは、実はその背景にある大きな物語を選びとることなのです。
私達がこの取り組みを「OPENrestaurant」と名付けたのは、レストランの枠組みを使って、Packing(梱包)されて見えなくなってしまっている食物に関する物語、繋がりをどんどんUnpacking(開封)して提示していくことで、私達が口にしている食物と世界との繋がりを明らかにしたいと考えたからです。
まずはシンプルに、自分が普段食べているものが、どこから、どのようにやって来ているのかを知ることが大切だと思います。
昨日、我々は江戸前のブイヤベースをつくりました。東京湾でどんな魚が捕れているのか、どんな漁港があるのか、どんな漁をしていて、魚たちはどんな環境にいて、どんな健康状態にあるのか、そして、それはどんな歴史があってそうなっているのか。
OPENharvestでは、アートプロジェクトへの参加を通じて実際に楽しみながら「食べる」という体験をすることで、多くの人々がこういった事に関心を持つきっかけをつくりたいですね。
開催まで、あと僅か。熱を帯びた議論が遅くまで続きます。
OPENharvest | Main Event @content restaurant
OPENharvestのメインイベント。Chez Panisseのシェフを中心とした食のスペシャリストとアーティストが「生産者」「料理人」「アーティスト」「消費者」をつなぐ参加型の食とアートの体験イベントです。
■場所:content restaurant(レストラン コントン)
■住所:東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館B1F
■日程: 2011年11月2日(水)& 3日(木・祝)
■定員:1日 200名 ※定員数になり次第、御予約を終了いたします。
■時間:19:00 ~ 22:00
■価格:大人 ¥10,000 小学生 ¥2,500
メインイベントでは、生産者と直接触れあえる機会も設けられるとか。
アツい想いを携えて、はるばる海を越えてやってきた食とアートのプロジェクト。せっかくの貴重な機会ですし、食べる当事者として参加してみてはどうでしょうか?
メディアチームの到着で、いよいよ情報発信も本格化。最新情報は " www.openharvestjapan.com " からどうぞ。
(イシクラ)
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