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食とアートのインスタレーション”OPENharvest”、いよいよ本番!
食とアートのインスタレーション、”OPENharvest”。
生活者と食べ物が繋がるプロセスを、ひとつひとつOPENにしていこう。そして、食を通じた世界との関わり方について、もっとしっかり考えてみよう。平たく言うとこんなテーマを掲げ、はるばる太平洋を越えて上陸したこのプロジェクト。
ひつじ不動産でも複数回に渡ってその進捗状況をお伝えしてきましたが、遂に待ちに待っていたメインイベントが、11月2〜3日、東京都現代美術館の地下レストランで開催されました。
イベントは両日ともに賑わいを見せ、見事大成功を収めたよう。とにかく驚くほどの人、人、人、そして熱気。敏腕揃いの運営チーム"Foodlight Project"の奮闘もあり、内容面でも非常に質の高い開催となりました。
会場には日本が誇る全国各地の食材と、その場で調理された食べ物がそこかしこに並び、アーティストの演奏や映像作品の上映など、まさに収穫祭といった雰囲気。
時折かん高い鐘が鳴り響いたかと思えば、独特のフードを抱えた怪しい一群が会場内を練り歩き、来場者はこぞってその味に飛びつきます。エンターテイメントとしての演出も、まったくもって申し分なしです。
また、会場には全国各地の食材の生産者たちも参加。目の前の食べ物が生まれてくるまでの物語を聴きながら実際に口にしたりと、なかなか貴重な体験のできる素敵な一夜となりました。
今回は、そんなメインイベントの様子と、OPENharvest開催に向けてそれぞれのシェアハウスで行われていたプレイベントの模様をお伝えします。
メインイベントの開催から、さかのぼること数週間。
元麻布農園レジデンスで、全国各地からメンバーが調達してきたばかりの食材を用いて試作会が行われました。
予定時刻になると、それぞれに手みやげを持って会場に集まるOPENの面々。
会場となる広々としたラウンジに集まったのは、OPENharvestの開催を手がけるFoodlight Projectのスタッフ、そして元麻布農園レジデンスの事業者さんと入居者さんたち。この時期でも、一部のシェフや情報発信を担うメディア組は、全国各地へ足を運んでいたそう。
メンバーが増えるに従ってラウンジにはカジュアルな英語が飛び交うようになり、インターナショナルな場に早変わり。
手みやげの大きなパンからは、小麦の香ばしい香りが。
ほら、おいしそうでしょ。
さて、メンバーが揃って来たところで、さっそく調理が始まります。
すでに頭の中でレシピが完成しているのか、次々と食材を手にとり、手際よく調理をすすめるシェ・パニースのヘッドシェフ、ジェロム。まわりのスタッフも談笑を交えながら、上手に作業をサポート。
上の写真で炒られているのはエビの殻。よーく炒って食材を無駄なく使うあたりは、オーガニック・シェフのプロフェッショナル精神なのかなと感じさせられます。
一方、傍らでは農園で収穫されたカブが大胆にも、そのままの状態でオーブンの中へと吸い込まれてゆきます。
シンプル・イズ・ベストとは言うものの、どんな風に仕上がるのか、とても気になるところです。
さて、シェフ以外のスタッフも、各々の作業を進めます。
今回のプロジェクトで情報発信を担うumamimartのヨーコは、数日前に行われた生産者の方へのインタビュー動画の編集中。
画面に映っているのは、新潟の南魚沼産コシヒカリを生産されている農家の方。
で、完成した動画はコチラ。
農家の暮らし、風土の話、農業本来のあり方に対する思い、そして気になるあの話…とても考えさせられる内容です。
インタビュー動画が完成した頃、ちょうど出来あがった料理がテーブルに運び込まれました。本日のメニューは、南魚沼産コシヒカリのリゾットと、元麻布農園産(!)のカブのソテー。
まるごとソテーされたカブへの味付けは、ここでもシンプルに塩だけ。もちろん葉の部分も、そのまま全部頂きます。素材のうまみがダイレクトに味わえる調理は、実に美味。すっかりカブが大好きになってしまいました。
南魚沼産コシヒカリのリゾットは、滑らかで口当たりの良い上品な味に。
つやつやしたお米の甘みと、殻まで使った香ばしいエビの風味がしっかりと引き立たてられて・・・うむ、こちらも旨い。
テーブルを囲む面々から口々に「Delicious!」「おいしい!」と声があがり、その笑顔を肴にビールを堪能するジェロムもまた、満足げな表情に。
この日カブを調理したチャーリー(元シェ・パニースのシェフ)いわく、
「家に野菜を育てられる農園があって、調理できる大きなキッチンがあるなんて、とってもナイスな環境だね。」
いや、本当にそうだと思います。
人々が集まるのは元麻布農園だけではありません。
試作会とは別の日、今度はマーブルガーデン西麻布に入居中のデイビッドとサムが制作した映像の上映会が行われました。
駆けつけてみると、リビングでビール片手にすっかりリラックスしている面々。
まったりしたムードから察するに、すっかり家にも溶け込んで、なかなか快適に過ごしている様子。やがてぽつぽつと人が集まり、徐々にリビングが賑やかに。
そして、いよいよ上映会がスタート。
まずは、今まで各地で開催されてきたOPENイベントの内容と、今回のOPENharvestの活動の様子をまとめたスライドが流れます。
お次はフィルムメーカー、サムが製作した映像の上映がスタート。
アリス・ウォーターズらのホームビデオにサムが手掛けた映像を交えて構成された作品。シェ・パニースのジェロムやサムがOPENのプロジェクトを始める背景に流れる、食に対する想いが受け継がれていく様子がよく分かります。
続くアーティストのデイビッドが制作した映像作品は、アメリカの海岸で撮影されたモーションキャプチャー(コマ撮り)を用いたもの。海岸にある石や流木を少しずつ移動させ、滑らかな動きを作っていきます。
手の込んだ力作に、真剣に見入る一同。
さて、映像をチェックした後は、コーヒーの時間です。
話題沸騰のFourBarrelCoffeeのJeremyが丁寧に丁寧に淹れてくれるコーヒーは、パッと広がる明るい香りと独特の口当たりが持ち味。
コロンビア産の豆が作られていく過程や、彼ら独自のコーヒーの淹れ方の説明を聞きながら、きゅっと酸味の効いたコーヒーをすすります。
ワインのように味わうコーヒー文化をつくりたい、というのが彼らの想い。ひと口味わえば、その意味がよく分かります。
キッチンの奥から出てきたのは、青森産のリンゴを贅沢に使ったアップルパイ。コーヒーの酸味がリンゴの酸味と溶けあい、なんとも素敵なマリアージュ。
そんな折、玄関で鳴り響くチャイムの音にドアを開けてみると・・・
追加のアップルパイを差し入れに来たジェロムたちが勢ぞろい。
にわかにリビングが人で溢れかえります。
さて、賑わうリビングを尻目に、マーブルガーデン西麻布に入居しているデイビッドにお願いし、部屋の様子を見せて頂きました。
デイビッドが過ごしているのは和室の503号室。
渋い布団が敷かれて、なんだか旅館のようにも見えます。
埼玉で手に入れたという井戸の滑車を手に、ポーズを取るデイビッド。なぜ滑車なの?という疑問が浮かびますが、とても満足そうなので良しとしましょう。不思議とキマってます。
続いて、501号室に入居したサムとレンの部屋へ。
「部屋を見せて」とお願いすると、「片付けてないからちょっと待って!」と慌てて掃除を始める2人。うーん、なんだか仲良しで微笑ましい。
部屋を片付けてホッとしたサムは、仕事道具のカメラをたくさん持って会心のポーズまでとってくれました。
「NINJA!(ニンジャ)」だそうです。
お酒が入っていることもあって、いつもよりちょっと陽気なサムとレン。
部屋の窓から見える東京タワーがお気に入りとか。
さてさて、それではお待ちかねのメインイベント当日の様子を駆け足で。
東京都現代美術館の地下に設けられた会場の入口には、ハサガケを連想させる収穫したての稲穂のオーナメント。
たわわに実ったお米の姿は、ニッポンの食の原点。
会場にはコシヒカリのライスコロッケ、三番瀬で穫れた濃厚な魚介のブイヤベース、コリコリした野鳩のグリルと、シェフが産地で直に食材と向き合って考案したメニューが並びます。
新鮮ですが、どれもこれもお馴染みのニッポンの食材を活かした料理です。
「EAT ME (私を食べて)」と札の立った会場の一角では、土から生えている植物をちぎってそのまま食べることができます。種類も量も豊富に用意された植物が、どれも臭みもなく瑞々しくてなかなかの美味。
「草って、こんな風に食べられるんだ」なんて驚いている都会っ子も、会場には沢山いた様子。
さて、別の一角で“カランカラン”とベルが鳴り、始まったのは鹿まるまる1頭の解体作業。これも、自分たちを取りまく食のプロセスの実際を知ってもらおうとするOPENharvestにとっては重要な要素。
手際よく無駄なく鹿を捌く光景は、みごとな職人技の世界。捌かれた鹿肉は余すところなく調理されるべく、調理場へと運ばれます。
ほどなくして、会場に轟く2度目のベルの音。
すると、先程の鹿が「Deer(鹿)Burger」へと姿を変えて登場。
最初はちょっぴり複雑な気持ちを抱かせながらも、とってもジューシーな絶品バーガーは、すぐに品切れ状態になってしまう程の人気のメニューに。
日本各地で増加すると言われる鹿害の現状を踏まえての鹿を用いた調理、他にも様々に姿を変えて振る舞われたフードは、とにかくどれもこれも、旨いこと、旨いこと。
会場の各所では様々な料理がその場で調理されて振る舞われ・・・
ジェロムらシェフ組も腕を奮います。
FourBarrelCoffeeの豆を煎るパフォーマンスも人気。
収穫の現場を題材にした映像作品の上映や食の喜びを彩るパフォーマンスなども交えて、まさに収穫祭と呼ぶのにふさわしいイベントとなったのでした。
↑ ※音と、人によっては一部ショッキングな映像も出ます。ご注意!
OPENharvestのパンフレットには「食は人生のサイコーの友」という、ジェロム直筆の日本語のメッセージが書かれています。
生きている以上、欠かす事の出来ない「食べる」ということ。
膨大な数の人々が日々「食べる」ことが、実は環境を、経済を、そして政治をも動かすんだ、とジェロムは言います。だからこそ日々「食べる」時にその意味をよく考えて選びとっていくことは、自分たちの世界との関わり方、繋がり方を選び取る事でもあるのだと。
OPENが伝えるのは、そんな「食べる」ということを、よく知り、多くを感じ、深く考えることが、実は食べる歓びを増して、より「美味しい」食に繋がるんだというメッセージではないかと思います。
ニッポンの豊かな収穫祭は、これにて閉幕。
ごちそうさまでした。パンパン!
(イシクラ)
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