シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
PoRTALをコワーキングスペースたらしめるものとは?
昨今、欧米を中心に爆発的な増加傾向にある「コワーキングスペース」に対するニーズ。いやまだこの時点では、どちらかというと認知度が高そうな言葉を用いて「フリーアドレスで利用者間の交流を大切にするシェアオフィス」と表現しても良いのかもしれません。ともかく、現在その数はアメリカでは200の州に存在し、ヨーロッパ全域では150カ所以上、日本でも欧米ほど大きな現象にはなっていないものの、全国で30カ所以上あると言われています。
インターネットのインフラが整っていれば、ラップトップとスマートフォンだけで仕事が出来てしまう今。わざわざ高い賃料を払い、オフィスを用意する必然性が、徐々に失われつつあるのかもしれません。
とは言え、イメージしようとしても実態を思い浮かべることが難しい…という方も多いはず。パッと想像してみると、デスクの上にラップトップを開いて、コーヒーをすすり、耳にはイヤフォンをつけている人がいっぱい。なんだか皆さん仕事がデキそう…。
これだけだとカフェで仕事している人となんら変わりませんね。というか、自宅から離れて、気分転換に環境を変えようと来るくらいの程度なら、カフェの方が安上がりじゃないか、と思ってしまいます。
少々ここで脱線しますが、「シェア」という言葉を別の方向から考えてみようと思います。
一昨年ほど前から、カーシェアリングの実証実験がドイツの自動車メーカーを中心に行われています。
そういえば、共用の車を用意している物件もここ最近多くなりましたね。
とにかく、このカーシェアリングに対して、特に積極的なのが、ダイムラーとフォルクスワーゲングループ。写真はダイムラーが手がけるsmartのカーシェアリング「car2go」。ダイムラーに関しては、CO2排出量ゼロの電気自動車(EV)を使用しているのが特徴です。
EVの現時点での問題点が、一回の充電によって走行出来る距離が短い(実走行距離は大体100~150kmくらい)ということと、充電インフラがまだまだ整っていないということ。遠距離はこれまで通りガソリン自動車で移動し、都市間などの近距離の移動はすべてEVにしてしまうことで、可能な限り環境汚染を防ごうという目論みなのです。確かに普及して供給がマッチングすれば、かなり効率の高いスマートな移動が実現しそうです。
一言では言い表し難いですが、現時点で「シェア」という言葉を使用する多くの場合、現状を保持しつつ、先の未来を予感させるラディカルな行動であると同時に、モラル、感情的な意味も含まれているような気がします。
このことに関しては、おそらく住まいにも言えることでしょう。
では、まもなくオープンを迎える羊社オフィス併設の「PoRTAL」はどうか?
欧米におけるコワーキングスペースの利用者の多くは、起業家、フリーランスのデザイナー、プログラマーなどだと言われています。
そこでは場所や物の共用だけでなく、参加者それぞれが持っている知識や技術、ネットワークといったソフト面の化学反応によって互いの仕事の質を高めたり、幅、裾野を広げたりといったソフト的なポイントが重視されます。その場にいる様々な分野で活動する人同士が互いのリソースとなり、化学反応から大小様々な物語が生まれる“現場”なのです。
どうもシェアハウスとよく似ています。異なる点と言えば、住まいが主に担うのが「休息」であるのに対し、ワークスペースが担うのがよりアクティブな「仕事」であるということ。しかし、結局は人と人とが上手に時間と空間を重ねあわせ、前向きな価値を見出そうとする点は共通。誰もいない小さな家で過ごすより、良く見知った顔のいる大きな家がいい。ワークスペースにおいても、人のいない空間や、あまりに狭い空間で仕事をするよりも、見渡せばよく見知った顔も並ぶ広々とした空間の方が良い。
もちろん空間の役割が異なる以上、求められる要件には差異があります。しかし、本質は同じではないかと思います。それはより豊かな新しい姿を探求するラディカルな取り組みであると同時に、「面白い」「楽しい」というモラルや感情が駆動する存在でもあります。
つまるところ、PoRTALは「シェアハウスのオフィス版」を実践する場所なのだと思います。
それでは、まず今回はPoRTALのハード面、つまり設備等について、現場の進捗とともにお伝えしましょう。PoRTALの特徴としてまず挙げるべきは、やはり372平米を誇る開放的な大空間(一部羊社バックオフィス含む)。
これは工事を終えて、家具が入る前のガランとした大空間。ちなみに、改修前の写真はこちら。
床いっぱいに敷かれていたタイルを剥がすと、碁盤の目状に付いた糊の跡。はじめはすべて真っ白に染めてしまおうかという話があがったのですが、最終的にはクリアのペンキを塗り、その状態をさらけ出すことに決定しました。この簡素でざらついた感じが、逆に愛着を引き立たせてくれるような気がします。まあ、ちょっと古めのものが好きなんでしょうね(笑)。
既成のオフィスがもつイメージにとらわれず、シンプルな木製テーブルを中心に、さまざまなデザインのチェアも用意しました。
先日、とあるフリーで活動をしているデザイナーが「仕事場と自宅は別々であるべきだ」と話していました。仕事場というのは、デスクに向かい、PCの電源を付けただけで気持ちが一気に切り替わる、そんなある意味で尊い場所。プライベートな時間を過ごす環境とは全く違う、どこか特別感が得られるような空間の方が良いのだと。
窓際には、気分転換にくつろぐことが出来るソファなども揃っていく予定です。
自習室のように殻にこもるのではなく、このワークスペース全体をフットワーク軽く縦横無尽に使用して頂きたいと考えています。おなじみの相手とデスクを囲む、好みのデスクに陣取って黙々と作業、ソファに腰を据えながら打合せ、気分転換、そしてうたた寝。人それぞれにあったスタイルで自由に使うことが出来る、そんなフレキシブルなスペースなのです。
数枚上の写真で大きくて四角い箱がチラッと見えたかと思います。
こちらはコンテナ型のミーティングスペース。正面左手のドアを開けると4席のスペース、右側面を開けると6席のスペースとなっています。
ワークスペースとラウンジを区切る場所、つまり大空間の中央あたりに堂々と立っているこのミーティングスペースは、まさにPoRTALの中核とも言えるでしょう。
先にも触れたように、PoRTALは歴とした仕事の現場。
綿密に外部の人とコミュニケートできる場所や、各種調整における咀嚼や決断に集中できる閉じられた空間は重要です。スモールオフィスよりも優れている点のひとつは、ここがしっかりしているところかも。
さて、エントランスの右手、ウッドデッキが敷かれた小上がりがラウンジ。
ちょうどコンテナの裏側にあたるラウンジは、いわば少しリラックスした緩めのスペース。せっかく日当たりも良く気持ちがいいので、今後はグリーンをどんどん配置していく計画です。
このラウンジの奥には、PoRTAL自慢のキッチンダイニングがあります。
開放的な窓に向かって設置された調理場では、オフィスにも関わらず、本格的な調理まで可能です。
さらに今回は三軒茶屋にある「cafe obscura」と提携し、高品質なコーヒービーンズとミルも用意。気分転換にフラリとキッチンに立ち寄れば、自分の手で産地も様々な抜群のスペシャルティ・コーヒーを淹れることができます。
毎日15時には、このミルで挽いた豆を使っていれたコーヒーを無料で提供する『coffee time』も予定していますので、乞うご期待下さい。ちなみに、オリジナルの「ひつじブレンド」を開発して頂けるとか。
先日、引越したばかりの我が社ですが、こんなふうに早速ダイニングテーブルに集まって仕事をしたり、食事をとったり、雑誌を眺めたりしております。
この感動、皆様も是非。
最後に手前味噌ではございますが、この奥が羊社のバックオフィスとなります。
まだ家具の搬入途中の段階で、少々殺風景ではあります。
実はこの壁、床から天井まで全てホワイトボード塗装が施されます。ちょっとしたブレストの際など、その場で立ち上がってイメージを描いたりすると便利そうです。現状の下地は、左官の職人さんによるもの。
塗っている後ろ姿がとても渋かったので、思わずシャッターを切ってしまいました…。ちなみに、ホワイトボード壁は他の場所やミーティングルーム内にも導入される予定です。あちこち自由に描けるようになります。きっと便利です。
そして、左側の二つの扉はフォンブースになっています。なにせビジネスでは、きちんと静かな環境で対応すべき電話も多々あるはずですから、役に立ってくれるんじゃないでしょうか。
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
日々の生活が当たり前のように流れていってしまうのは、あまりにもったいないと思うのです。そのために必要なのが、有意義なコミュニティであり、生活を彩る会話や食事、生活/仕事をする環境。PoRTALでそのすべてを網羅しようというのは過度な期待かもしれませんが、「成功の9割は、信じる気持ちから生まれる」とウッディ・アレンも申しておりました。
その言葉を胸に、ここ渋谷で色々な人と繋がり、劇場型映画のように様々な物語と接する日々を楽しんでいきたいと思います。さらに詳しい情報や見学の申し込みはPoRTALのページやFacebookページでご確認ください!
(オオスミ)
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