シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
家でもあり、街でもある。
昔は生活の一部を街と繋げて暮らすことが、もっと上手だったのかもしれません。
古くは江戸の表長屋や井戸端から、昭和の時代にも玄関からはみ出して道路に並ぶ鉢植え、最近でもアパートの廊下に置かれた洗濯機。家そのものは小さくても、街と繋がる広がりのなかで上手に暮らしていく術を、自然と培っていたのかもしれません。
暮らしを営む内部空間が公共空間である道路などの外部空間に出てくると、今度は活き活きとした街の雰囲気をかたちづくる要素のひとつになります。
そう言えば道路に並ぶ鉢植えも、高級住宅街やビル街よりも、ご近所付き合いが残っているような昔ながらの街並みでよく見かける光景。本当は住まいと街のあいだにもう1枚レイヤーが生まれることで、まだまだ日本の街並みも楽しいものに変わる可能性があるはず。
武蔵小山に建てられた「ステアズ」には、建物と街のあいだに位置するオープンスペースがあります。
一見すると駐輪場のような、建物の前面のくぼんだ部分。今は何もありませんが、これからこのスペースにベンチや小さなテーブルを置いて、入居者さんや近所の人が自由に使えるようにするのだとか。
シンボルツリーのハナミズキが色付く頃には、パッと華が加わるはずです。
シェアハウスというよりは、感覚としては共用部の付いた集合住宅と捉えた方がしっくりくるのかも。これもまた、街へと意識がつながる理由のひとつだと思います。つまり共用部はある意味、家の前に広がる街角そのものなのです。
リビングの延長、住居へのアプローチ、道の一角。
街の縁側のようなこの場所で、ある小さなプロジェクトが始まりました。
駅前から目黒通りと中原街道をつなぐ大通りをまっすぐに進みます。交差点から伸びる小さな道へ入ると、あたりはとたんに静かな住宅街へと変わります。
大通りからも見える角地に建つのが、今回の「ステアズ」です。
地上階を街に開いたこともあり、建物は2階部分がせり出した大胆な形状。
住宅地では、この変わったフォルムはパッと目を引きます。
なめらかなコンクリートで作られた階段が、内部への入り口。
ちなみに、すぐ脇の地下へと降りる階段は、オフィススペースにつながっています。こちらは後ほどゆっくりと。
階段を5段ほど上がると、正面に集合ポストが設置されています。
郵便屋さんにもわかりやすい場所ですし、屋根の下で雨にも濡れません。
帰宅したら、まずココで郵便をチェックして、リビングや各部屋に向かうことになりそうです。
郵便物を手に、奥へと進みます。
ここでもまだ屋外。外廊下のようなスペースです。左手のガラス戸の先には共用部があります。2階と3階の部屋には、奥の階段を上っていきます。
では、早速ガラス戸を開けて共用部を…と行きたいところですが、今日は先に各専有部の方から見て行きたいと思います。
金属メッシュの階段と華奢なデザインの手すり。浮遊感と抜け感のあるデザインで、視線を先へ先へと誘導します。
ちなみに、隣家との境にはパーテーションがありません。その代わり地面より少し高さを上げることで視線を適度にカットする設計。建築家さんの考えることって、面白いですよね。玄関から出てきたお隣さんと挨拶を交わすシーンもありそうです。
美しいカーブを描く階段を上ると、景色が一変。
目の前の空間が抜けたウッドデッキは、開放的でありながら、雨に濡れることもない実用性なスペース。各部屋のドアの対面には洗濯機が2台設置され、共用のランドリースペースとしても使われる予定です。
共用ランドリー付きマンション、たまに見かけることがあります。ひとり暮らしなら、洗濯の頻度が高くない方も少なくないはず。いっそのこと自室には洗濯機を置かず、共用のものを使うのもひとつの手。
ちなみに共用ランドリーはコイン式ですが、なんとカバの貯金箱にコインを入れる運用スタイルとのこと。
各住戸の前に、木のようにスッと立つカメラ付きのインターホン。
精悍な佇まいに、多少緊張しながら201号室のインターホンを押してみます。
重みのある玄関ドアをそっと引くと、ふわりと優しい空気が広がる空間が。
床、キッチン、収納と柔らかな色使いのなかで、大胆にあしらわれた天井のルーバーがインパクト抜群。
当初は白い天井を考えていたものの、この家を設計した建築家さんの「なんだか冷たい印象だから」の一言で、このルーバーを入れることにしたとか。
引いて見てみると天井面が下がったようにも見えますが、実際に真下にいると天井は高く感じます。ルーバーの間から落ちる照明の光も、なんだか特別。
部屋の奥が、水まわりへの入り口。
そっと引き戸を開けて中へ進むと、海外のホテルのバスルームのようなテイスト。
レインシャワーも備えたシャワースペースは、カーテンで仕切れるようになっています。一応、脱いだ衣類の置き場所は検討が必要かもしれませんね。
トイレはウォシュレット付き。
タンクレスのシンプルなタイプです。
続いて、さらに階段を上って3階へ。
周りに高い建物がなく、道路の表側に面しているため、階段を上っているときから眺めは抜群。高いところが苦手な方は、少し怖いと感じるくらいの開放感かもしれません。
2階よりもさらにプライベート感の強いデッキテラス。
普段は3階の入居者さんが主に利用することになると思いますが、共用部としてBBQなどにも使って良いそう。
周りは住宅地ですし夜騒ぐのは厳禁ですが、日が上っている時間から開始して、夜はしっとり飲むようにすれば贅沢な休日になりそう。
入居者さんみんなでパーティーをやるときは良いですが、個人的な集まりで使うときには、他の入居者さんに連絡をするのがルール。特に3階の部屋は目の前ですから、お互い気持ちよく使いたいですね。
テラスの端には植物が植えられるようになっています。
手入れの負担を減らすために、自動給水装置が付けられているとか。長めの旅行に出かけたり、仕事が忙しかったりというときにも安心ですね。
301号室は一番大きな部屋。
手前にキッチンがあり、引き戸を閉めると奥の空間を小部屋状に仕切ることができるのは、どの部屋も同じ。
手前をLDK、奥を寝室として使うのも良いですし、SOHOなら手前をセミパブリック、奥をプライベートとして利用するのも良さそう。2人暮らしにも、ちょうどよいサイズではないでしょうか。
奥の小部屋からは水まわりに直接アクセスできます。
こちらの部屋はバスタブ付き。同じくシャワーカーテンで仕切れるようになっています。
写真では分かりづらいのですが、壁はすべすべとした珍しい手ざわり。聞いてみると、なんと船の周囲に使う塗装材だそう(!)。防水性もありますし、凹凸のムラによる雰囲気もあります。面白い使い方があるものですね。
3階はとにかく日当たりが抜群。
起き抜けにこの光を浴びれば、鏡越しに自分の顔を眺めるよりもずっと爽やかな朝を過ごせるはず。
では1階に戻り、101号室を見ていきます。
シンク下や吊り棚の仕様が少しずつ違いますが、基本的な設備はどの部屋もおおよそ同じです。
ひとり暮らしと考えれば、収納の容量もまずまずと言ったところ。
IHヒーターは縦型のコンパクトなタイプ。
このタイプ、初めは多少違和感がありそうですが「要は慣れ」という噂も。
どの部屋も玄関側には大きな開口があり、開放感は抜群。
天気が良い日は大きな窓を開けて、風を通すのも気持ち良いと思います。室内の床から土間部分、さらに外のテラスまでフラットに繋がる設計も、とても開放的。必要に応じて調整できるよう、窓にはブラインドが設置されています。
101号室はメゾネットタイプ。
階段を上がるのではなく、地下へと部屋が続いています。無垢材の踏み板をトントンと響かせつつ、階下へと降りてみます。
地下のため、直接は陽の光の入らない空間。
寝室にするのも良いですし、作業場所としても集中できそうな環境。生活のオンとオフを、しっかり整えたい方に良いかもしれません。
階段裏の格好良さにグッときます。さすが、stairs。
では、おまちかねの共用部を見ていきます。
実は先ほど通った外廊下側からも入れますが、道路に面した引き戸が正面の入口。
前に立つと、四角く切り取られた内部の空間が、もう魅力的。
そしていざ足を踏み入れてみれば、予想外の天高。
事前に思っていたより、ずっとずっと広がりのある空間です。
奥には数段の段差が付けられた、立体的な動きのある空間。視線の高さが変わると、いつもは気がつかないものが見えて気分が変わります。奥の綺麗なグリーンは黒板塗装。パーティーで絵を描いたり、メニューボードとしても使えます。
実はこの空間、2014年5月に飲食店がオープンする予定とか。
カウンターテーブルの奥側はお店の厨房スペース。
住宅と地下のオフィスの入居者さんは基本的にこの空間を共用部として自由に使えるほか、飲み物・食べ物の注文時には割引の特典もあるとか。
疲れて帰ってきたとき、チェーン店やコンビニのごはんではなく、できたてのごはんと美味しいお酒が楽しめる。しかも、家で。
こんな食卓のことを思えば、会社の仕事もひと頑張りできそうです。
最後に一度外に出て、地下のオフィスを見て行きたいと思います。
全部で6席のシェアオフィス。入居者さんでも、外部の方でも契約可能だそうです。
1人ずつの大きなテーブルに加え、6人が囲んで座ることのできる打ち合わせスペースも設けられるそう。作業場所の周りは書棚が並んでいて、資料や書籍も置いておくことができます。一部にグリーンを飾ったりしても良いかもしれませんね。
まだ準備段階ですが、大型の複合機やWiFiも用意される予定とのこと。
小さなシンクも付いています。簡単な飲み物の準備や洗いもの程度なら、ここで完結できます。
目黒までは2分、武蔵小杉までは12分。都営三田線、埼玉高速鉄道線にも直通で、白金高輪、大手町へも直通です。
武蔵小山といえば、都内最長のアーケード街であるパルム商店街が有名。
食料や日用品はもちろん、TSUTAYAやマクドナルドなどのチェーン店も軒を連ね、地元の人は「ここに来ればなんでも揃う」と口を揃えます。
かくいう私も実は地元なのですが、まとめて買い物をしたいときには必ずパルム商店街に来ていました。目的なくふらりと歩いているだけでも充分楽しめる商店街。脇道で可愛い雑貨屋さんを見つけたりするのも、小さな楽しみのひとつです。
2010年に駅ビルが完成するなど、再開発が進む地域。
最近では若い人も増えてきたようで、オシャレなお店も随分多くなりました。自転車があれば学芸大学あたりまでは充分行動範囲ですし、休日は周辺散策も楽しめそうです。
建物のすぐ近くに、本職のWebディレクションのためのオフィスを構えています。武蔵小山で育ち、実家で所有していた古いアパートの建て直しを機に、この企画を思い立ったそう。
「武蔵小山をもっと元気にしたい」と話す事業者さん。
パルム商店街をはじめ、駅前は再開発によって人が多く来るようになっています。一方、駅から少しだけ離れたステアズの近くにある小さな商店街は、お店の人たちも高齢化し、なかなか跡継ぎもいない状態なのだそう。
駅前だけでなく、エリア全体に若い人を呼び込んで、活性化していきたい、という想いが形になったのが今回のプロジェクト。ただの集合住宅にせず、あえて外へ開いた飲食店を入れることに決めたのも、そういった想いが根底にあったからだそうです。雑貨屋さんなど近くの店舗とも連携し、なにか地域を盛り上げていけるような企画ができないか考えている最中とか。
「若い人だけでなく、古くから住んでいるご近所さんの憩いの場になってくれたら嬉しい」と事業者さんは話します。
近所の人たちも、昔から見知った事業者さんが運営するということで、新しい建物に親しみを持って迎え入れてくれている様子。入居者さんにとっても、東京で長くその土地に暮らす人たちと親しい距離感が持てる住環境は稀少だと思います。
一度埋まってしまえば空きの少なそうなこの建物。空室が出たときが出会いです。お問合せはこちらからどうぞ。
まず、家と街のあいだをつくる。
ゆっくりゆっくり、ほどよいグラデーションに溶けていくはず。
(テルヤ)
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