シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
暮らしをかさねる。歴史をかさねる。
さて、今回のシェアハウス探検隊は「nismu 市ヶ谷加賀町」。
舞台は神楽坂も目と鼻の先、由緒正しき住宅街にそびえ立つ8棟70戸からなる素敵な団地。棟と棟の間にたっぷりとした敷地を持ち、窓を開けると都心部とは思えない心地よい風が吹き込みます。
しかし、立地よし、管理状態よしのこの団地も築40年近くという時代の変化には勝てず、徐々に空室が増加。特に、一番いい風が吹き込む4、5階部分は、エレベータが付いていない事もあり各所に空きが目立つ寂しい状況。
ではありますが・・新築信仰を持たない現代っ子であるひつじ不動産スタッフにとっては、ヨダレの出そうな優良ストック(中古物件)。
都心にもかかわらず緑が溢れ、風が吹き抜け、駆け回る子供達の声が飛び交い、世代を超えてご近所さん達が立ち止まっては世間話に興じる。
団地で暮らす人々も全てひっくるめて、実に素敵な環境がそこにはあったのでした。あとは、きちんとその価値を感じて、大切にしてくれる新しい人達に伝えていくだけ。今回の物件は長年団地で暮らしを重ねてきた人達も大切にしながら、ヒトを大切にした団地再生を模索することがテーマです。
キーワードは“かさねる”。
まるでずっと暮らしていたかのように肌に馴染む、気持ちの良い物件になっています。
ちなみに今回は3室のみということで、女性専用です。男性陣は団地内に男性用住戸がいつか登場するのを、首を長くして待っていて下さいませ(無保証)。
さて、団地の佇まいをおさらい。
誰もが見覚えのある、工業感のある昭和デザイン。いわゆる2戸1(にこいち)階段タイプです。
が、玄関はオートロック。
団地の入口がオートロックになっているのは初めて見ます。
でも、管理が行き届いているせいか、全体的にあまり年季は感じません。
玄関ドアも見覚えのあるプレーンなスタイル。
と、ココまではとても綺麗な、でも普通の団地。
ちなみに今回再生されたのは、4階の住戸。エレベータ無しですが、経験では4階ぐらいまでの昇り降りはあっという間に慣れるので、その点では心配なし(断言)。
むしろ健康的というものです。
さて、いよいよ玄関を開けてみると、イメージが大きく変わります。
ブルーに塗られた専有部のドアに、ブリキの傘立て。モノは少ないですが、ひとつひとつ丁寧に選ばれている感じ。
廊下の奥の方には、大ぶりな植物も垣間見えます。
不思議な質感の床の素材は、天然麻タイルのカーペット。
素足で歩くと足の裏の感触がとても気持ちよし。内覧に行った方は、ぜひスリッパを脱いでペタペタ歩いてみて下さいませ。
さて、玄関周りには扉のついた靴箱はありません。
代わりに作られたオープンなシューズ・ラックは、鳩目のカーテンで目隠しをするスタイル。
そして、入居者同士の簡単な連絡ごとはコチラの黒板でどうぞ。
シューズラックの対面には、曲線のかわらしいフックが付いています。
フックとしての機能性以前に、意匠的にポイント高め。
では、廊下の奥にひろがるリビングへ。
部屋数が3室のみという事もあり、比較的コンパクトな空間。
テーブルを囲む椅子は、かつてはイギリスの学校で使われていたものだとか。
座り心地が心配なルックスですが、海外製という事で腰がすっぽり収まるほどサイズが大ぶり。背もたれの角度も穏やかで心なしか座面も広く、意外にゆったりしています。
古い建物の良さを楽しもうという時に、ピカピカの家具もそぐわない・・という事で、椅子の他にもテーブルやカウンターなど、味のある古家具は都立大学のアンティーク・ショップ “Found” さんがセレクトしたモノ。
ところどころ塗装の剥げたエメラルドグリーンのテーブルは、フランスのものですって。
最初から暮らしに馴染む落ち着いた佇まいが中古家具の良いトコロですが、それにしても、丹精込めて作った家具職人たちは、長い時を経て日本のシェアハウスで使われるなんて想像しなかったでしょうね。
さて、リビングの奥の壁は、ご覧のとおり木目もむき出しの板張り。
現在はデザイナーさんの用意した飾り棚が取り付けられていますが、実はこの壁、自由に釘やネジを打って、棚を取り付けたり、飾りを付けたりして良いのだそうです。
例えば、こんな風にドライフラワーをぶら下げてみるとか。
入居した人達次第で、いろいろな楽しみ方ができそうです。
なお、リビングやキッチン全般に言えることですが、スペースの限られた物件ということもあり、基本的に収納類は「見せる」スタイル。
せっかくの素敵な空間なので、カッコよく住みこなしてくれる方にゼヒ入居して欲しいなぁ、と願ってやみません。
つづいては、リビングの一角を占めるキッチンをチェック。
おおぶりなカウンターの上には、液晶テレビ。
大画面ではないですが、必要充分なサイズ。
基本的な調理器具等は揃っています。収納は、先程書いた通り「見せる」収納。
お気に入りの調味料などを、お互いに見せ合うつもりで飾るように収納することで会話のきっかけになったり、空間のちょっとした変化を楽しんでもらいたい、とは設計士さんの弁。
細かな調理道具なども、ぶら下げて露出させてしまう方向です。
ガスコンロは2口で、プレーンなタイプ。左手にぶら下がるカゴには、ちょっとした共用食材を置いておくことを想定しているとか。
棚の上の方にあるバスケットは、調味料などのストッカー。3人なので、各自2カゴ+共用2カゴといった感じでしょうか。
カウンターの裏側には、電子レンジやゴミ箱といった実用器具が巧いこと収納されています。
足元の踏み台は、棚の上の方のものを出し入れするためのもの。
という事で、決して豪華だったり広かったりはしないですが、キッチンはまずまず実用的です。
お次は水回り設備を。
玄関を上がって右手の一角、位置的にはキッチンの裏側辺りに水回り設備が集約されています。
扉の類を全解放すると・・
こんな感じ。
左からトイレ、浴室、洗濯機と続いて、さらに・・
洗面台でぐるりと完成。
なお、見てのとおり脱衣室は厚手のアコーディオン・カーテンで仕切るタイプ。きちんとカギも掛かりますし女性3名だけではありますが、この辺りが気になる人はご注意を。
また、洗面台と洗濯機は脱衣室と一体になっていますので、浴室利用中には使えません。人数的にほぼ不便は無いと思いますが、こちらもあらかじめご注意を。
基本的に、設備類は既存の団地そのままのプレーンなスタイル。
浴室は特に、そのまんま。
でも、別に小さくもなく、立派なお風呂が使えます。なにせ、団地の他の部屋で家庭用として使っているものですからね。
ということで、お手洗いもウォシュレット付きです。
さて、いよいよ専有部の扉を開けてみたいと思います。
それぞれ3色に塗り分けられた扉には、ホテルのようにナンバープレートが振られています。
実は数字が部屋番号と違うのは、ご愛嬌。雰囲気を楽しむ方向でどうぞ。
さて、まん中のセージのドアは、一番小さい4022号室。
日当たりが良すぎて少々暗めの映りですが、風の入る気持ちの良い部屋。
備え付けの家具としてはマットレスの付いたベッドが置かれる予定(付けない事もできます)ですが、その他の家具類は特についていません。
そして、どの部屋も窓の外にはこのバルコニー。
洗濯物に便利というだけでなく、とにかく日射しと風が気持ちが良し。
続いては、鮮やかなブルーのドアの、4021号室へ。
玄関を入ってすぐの、実は一番広い部屋がこちら。
ばばーん。
先程の部屋も、ベッドを置くとこんな感じになるのでイメージしてみて下さいませ。
床は共用部と同じく天然麻のタイル・カーペット。木目の壁も、やはり同じくラーチ合版でカスタム自由。部屋の中の板壁はお洒落に使っても良し、便利に収納棚を取り付けても良しという事で、どんどん自分好みにいじってみて下さい。
下地はしっかり貼ってありますので、よほどの荷重でなければ大丈夫なハズ(心配な時は事業者さんにご確認を)。基本的に板壁の釘穴などは原状回復不要ということですから、ぜひぜひ、思い切っていきましょう。
壁にはちょっとした洋服が掛けられる金物と・・
部屋干し用のフックが天井に2つ。
ベランダの物干し竿をこのフックに渡せば、雨の日でも物干しOK。
はい、広いです。
最後はイエローの4023号室。
2面採光がこの部屋の良いトコロ。
ちなみに部屋の照明は、全室配線ダクト式。備え付けのスポットライトを取り外して、家具屋さんで買ってきた好みの照明に自分で交換することもできます。
ご覧の通り、日当たり抜群。
さて、団地の最寄り駅は東京メトロ大江戸線の牛込柳町駅。いわゆる神楽坂エリアもほど近い、由緒正しい都心の高級住宅地です。
が、率直な話、大江戸線沿線全般に言えることですが、駅前はパッとしません。
スーパー、コンビニ、ドラッグストア、郵便局、ファミリーレストラン、弁当屋となんでもございの環境なのですが、一見すると、とてもそうは思えません。
が、ひとたび住宅街へ足を踏み入れると、こんな感じの目玉が飛び出るような建物が軒を連ねる味わいのある街並み。
物件への通り道を少し外れて路地を行けば、こんな渋い階段も。花街、神楽坂の香りも随所に。
電車に乗れば、直行で飯田橋駅までは4分、新宿西口駅もたったの6分。
また、都営新宿線の曙橋駅までは徒歩12分、JR中央・総武線の市ヶ谷駅も徒歩13分ということで、大江戸線圏内の人もそうでない人も、自転車があると非常に行動範囲が拡がりそうです。新宿あたりなら、駐輪スペースさえ確保できれば十二分に自転車通勤圏内かと。
運営を手掛けるのは、財団法人住宅総合研究財団さん。
幅広く住まいの研究活動に取り組む団体ということです。名前は漢字だらけでものものしいのですが、担当者さん達はいたってフレンドリー。しっかり女性スタッフさんもいます。
なによりも、皆さん長く管理されてきたこの団地に、かなりの愛着がある様子。これまでも多くの人が巣立っていった団地を、なんとか次世代に住み繋いで活かしていきたいという思いが今回のシェアハウスプロジェクトとなったそうな。
今回の再生プロジェクトでは、元々団地に住んでいた人達にもそのまま住み続けて頂くことで、団地全体として様々な世代を混在させていくことも大きな目標。
団地の古い建物ならではの良さや、色々な世代の人々が身近で暮らす環境を楽しんでみたい方、こちらからお問合せをどうぞ。
窓を開けると、風が吹き込んでとにかく気持ち良し。
できれば晴れた日に内覧に行くのがオススメです。
(キタガワ)
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