シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
複合施設で暮らす。あり?なし?
開発が進み、最近は幅広い層に人気の高まってきた川崎。
ラゾーナ川崎。ラチッタデッラ。アトレ川崎。ミューズ川崎…
数多くの巨大な複合施設がところ狭しと駅をかこむ様は、なんとも壮観。
大改造の進む都心のなかでも、近年、最も大きな変貌を遂げた街のひとつです。
「川崎日進アパートメント“85”」 の入るビルが建てられたのは、そんな大きな変化が訪れるよりずっと前。
1963年のこと。
事務所・工場・社員寮が一体となったこの大きなビルは、それから数十年もの長きに渡り、街で呼吸を続けてきたのです。
そして2017年。
新たな息遣いに湧く街のなかで、ビルもまた、新たな役割を担って生まれ変わる日が来たのです。
生まれ変わったその姿は、飲食店、オフィス、シェアハウス、バスケットコートにプロレスリング(!)と、従来以上に多彩な顔をもつ複合施設。
築50年を超えた、大きな大きな古いビルです。
新築の綺麗さや、設備の新しさはありません。シェアハウスは3階と4階ですが、エレベーターもなし。
でも、気にするほどのことではありません。むしろ、それでこそ。
そう思わせる、強い魅力のある建物です。
川崎駅から一直線の道のり。
「川崎日進アパートメント“85”」は、にぎやかな駅前の繁華街から、マンションの並ぶ住宅街へと変化していくあたりに建っています。
濃緑のタイルと赤茶の塗装が渋い。そして、格好いい。
大きく見える建物は、3棟に分かれています。
右側に位置するB棟の3〜4階がシェアハウス。
中央のA棟にはカフェやシェアオフィス、左側の「unicourt」と呼ばれる棟はバスケットコートが入っています。
3棟全体が複合施設「unico」。イタリア語で「唯一無二」との意味だそうです。
乗用車1台分の広さの通路を抜けた先が、B棟の入口。
足元には大きな「B」の文字。初めて訪れた人でも、分かりやすいですね。
通路の入口に、郵便受けと宅配ボックスが設置されています。
屋根のある場所ですから、多少の雨なら郵便物が濡れてしまうことも無さそう。
通路の突き当たりには、鍵付きのシャッターが。
基本的に、日中は開放されているそう。
20時頃を目処にシャッターが閉まり、以降の出入りはナンバーキーでの操作が必要です。
入居者さんは、もちろん事前にナンバーを教えてもらえます。うっかり忘れないようご注意を。
シャッターの先には、思いがけない異空間が広がっていました。
「unico garden」と呼ばれる中庭。
周囲をビルに囲まれているのに、やわらかい木漏れ日が届く不思議な空間です。
シェアハウスの入居者さんだけでなく、店舗のスタッフやオフィス利用者など、ビルに関係のある人は自由に使って良いそうです。
シェアハウス内だけに留まらない、思わぬ出会いもあるかもしれません。
中庭を横断するように設置されたアーチ状の造形物。
虹のようにも、恐竜の背骨のようにも見える木製のアーチは、A棟にある3Dプリンター工房でパーツをつくり、組み立てられたもの。
大人なら、ハシゴのように登ることもできるそう。
ただし、あくまでも自己責任で。
中庭の奥にある、シェアハウスへつながる裏口のドア。
見落としてしまいそうなほど、さり気ない佇まいです。
ドアの先には階段が続きます。
ペンキの剥げ具合や階段の色あせ方に、建物の重ねてきた年月を感じます。
2階から3階へと上がる階段の手前には、ガラスのドアが。
ここから先は、シェアハウスの入居者さん専用。
ドアには鍵が取り付けられています。
3階への階段を上りきると、靴箱が設置されています。
4階の入居者さんも、ここでスリッパなど室内履きに履き替えです。
廊下も味わいのある雰囲気。
年季の入った部分は、敢えてそのまま残したのだそう。
廊下の雰囲気とは異なる、シンプルなリビング。
天井が高く、面積以上に広く感じます。
落ち着いたベージュの壁に、むき出しの配管が意外としっくり馴染みます。
オープン当初のこの時点では、とてもスッキリ。
家具や家電も、必要最低限です。
目に付くものと言えば、大きなソファ、ローテーブル、壁掛けTV、エアコンぐらい。
そのぶん、ゆったりと広い空間と、暮らしの味わいが刻まれていくための余白がある、とも言えそうな気がします。
昔から使われていたという、掃き出し窓。
古いものですから重さがありますし、断熱効果もあまり期待できません。
一方、高性能な新しい窓には出せない味わいなら、たっぷりと。
リビングとキッチンは、すこし離れた場所に。
通路にはコンパクトなテーブルが置かれていて、ちょっとしたパソコン作業にも向いていそうです。
広々としたキッチン空間は、明るく気持ちのいい空間。
やはり簡素な空間ですが、中央に無造作に配置されたアイランド型のキッチンは、ミャンマー産のチーク材を贅沢に使ったオリジナルデザイン。
実は別の建物で使用するために作ったそうなのですが、紆余曲折を経てここに収まったとか。
よく見ると、天板の端の仕上げや引き出しの取っ手など、細かな部分まで美しい一品。
このキッチンで料理がしたい。
それだけで引っ越しの理由になるくらい、個人的には素敵だと思います。
壁沿いに設置された棚には、部屋ごとに食材や食器を収納しておけます。
アイランド型のキッチンの方にも棚があるため、収納には余裕がありそう。
共用の食器も、真っ白な陶器だけでなく渋めの色味のものが並びます。
食器や調理器具は、入居者さんが共用として置いてくれているものもあるそう。
聞けば、料理好きな入居者さん(特に男性)が多いとか。
続いて、3階の水まわり設備を見ていきます。
水まわり設備は2018年のオープン時に新設されていて、スッキリとした雰囲気。
3台並ぶ洗面台の目の前には、大きな鏡が取り付けられています。
これなら、朝の忙しい時間帯でも数人で同時に準備ができます。
洗面台の横にはエアコンが。
お風呂上がりでも、快適に過ごすことができそう。さりげない配慮が嬉しいです。
キッチンの棚に似た、木製の収納棚。
シャンプーや洗濯用洗剤など、水まわり設備で使うものをまとめて置いておくことができます。
収納棚の奥には洗濯機が2台。
急いで乾燥させたい場合や、布団や毛布など大きなものを洗いたい場合は、1階のコインランドリーへ。
ガス式の乾燥機や大型の洗濯機を使うことができます。
洗面台を挟んで、洗濯機と反対側にシャワールームが並びます。
3室のうち、奥の1室は女性専用。手前の2室が男女兼用です。
シンプルなシャワールーム。
女性専用も、まったく同じ内容です。
ステンシルの粗さには、シールでは出ない味わいが。
ころん、としたフォントとも相まって、とてもキュートな仕上がりです。
トイレの内部も非常にシンプルな仕上げ。
トイレは3階と4階に1室ずつ設置されていて、どちらもウォシュレット付きではありません。
では、廊下に戻って専有部を見ていきます。
やはり簡素な仕上げの廊下。
粗削りさはデコーレションとの相性の良さも予感させます。自室のドアの周りを、ピンであれこれ飾ってみると楽しいのではないでしょうか。
さて、まずは401号室。
すこし緑がかったベージュの壁と、ツヤのあるモルタル仕上げの床が、落ち着いた雰囲気。
天井や壁の一部にコンクリートの粗さはあるものの、目立つほどではありません。
そのまま使うのももちろんOKですが、DIYも可能。
壁を好きな色に塗装すれば、雰囲気はガラリと変わりそうです。
やはり簡素ですが、全室備え付けのクローゼット付き。
オープンタイプですから、床部分に収納ケースやラックを設置するのも簡単です。
南東向きの部屋はベランダ付き。
物干しスペースとしても植物を育てる場所としても、使い勝手が良さそうです。
一番広い406号室は、モデルルームになっていました。
ベッドの他にソファや棚、TVを置いても、ゆったりした空間が確保できそう。
いっそのこと、ダブルベッドにしてみるのもアリかもしれません。
ベランダにつながる窓は、リビングの掃き出し窓と同じデザイン。
窓を開けていても快適に過ごせるよう、室内側に引き出し式の網戸が取り付けられています。
これなら窓のデザインを隠さず、新しい空気を室内に取り込むことができます。
最後は、同じくモデルルームの304号室。
401号室と同じ縦長の間取り。約4.3畳のコンパクトな部屋です。
日常生活は天井の照明で十分ですが、読書や勉強をする場合は手もとに灯りがあると便利。
デスクライトは、なにかと活躍するシーンが多いはずです。
さらに階段を上がって、屋上を見ていきます。
よく見ると、廊下の壁の塗装や階段の色がフロアごとに異なります。
中央部に置かれたテーブルが小さく見えるほど、贅沢に広い屋上。
屋外用のテーブルセットで、ランチを取るのも気持ちがよさそう。
春になると、目の前の通りに桜を望める特等席になります。素敵。
中庭とは異なる開放感。
実は、建物のすぐ裏手に有名なゲームセンターがあります。
かつて香港に存在したスラム街・九龍城が再現され、いわゆる街中のゲームセンターとは一線を画しています。
入居者さん同士で、フラリと遊びに行ってみるのもいいかもしれません。
さて、普段と違い「川崎日進アパートメント“85”」の真価は、ここからが本番。
冒頭で触れたとおり、建物は3棟構成。シェアハウス部分以外の場所は、一般の方も利用します。
まずはシェアハウスのあるB棟の隣、A棟から見ていきます。
1階に入っているのは、「ビオ オジヤン カフェ -スタンド日進-」。
※2020年7月現在、「CAFE IBIS」さんへ変更されています。
原宿に本店を構える、創作おじやを食べられるカフェ。おじやだけでなく、丼ものや定食、デザートも楽しむことができます。
目を引くのは、やはり中央のカウンター部分でしょうか。
カウンター席は14〜15席ほど用意されていて、テーブル席とほぼ同じ数。
一般のお客さんが、自然とカウンター席を選んで座っているのが印象的でした。
実は、特別価格の「まかない」を食べられる、嬉しい入居者特典付き!
厨房へお皿を持っていくと、日替わりのワンプレートを盛り付けてもらえます。
価格は800円程度、提供は20時頃までを予定しているとのこと(2018年4月時点。時期によって変更の可能性があります)。
疲れて帰ってきた日は、食事を作るのも考えるのもおっくうになるもの。
お皿を持っていくだけでバランスの良い食事が食べられるなんて、素敵です。
カウンターの隣には、小さな窓が設置されています。
聞けば、奥はクラフトビールの醸造所だそう。注文したビールをカウンターで食事と一緒に楽しむこともできます。
脱サラした店主さんが、ひとりでビールづくりを手がけているとか。
オープンするのは毎週金曜日と土曜日。週末のご褒美に1杯、贅沢です。
1杯で収まるかはさておき。
A棟へは、わざわざ通りに出ずに中庭から直接出入りすることも可能です。
大きな鉢植えの並ぶ通路は、なかなかの迫力。
1階には3Dプリンター工房も入居しているそう。
大きな作品たちが、入り口に飾られていることもあるかもしれません。
続いて、A棟の2階へ。
中目黒に本店を持つ「中目卓球ラウンジ」の分室。
※2020年7月現在、「Baumhaus SUN」さんへ変更されています。
名前の通り、お酒を飲みながら卓球を楽しめる、ユニークなコンセプトのバーです。
中央に堂々と構える卓球台。お酒が入ると、勝負の熱も高まりそう。
卓球の他、ピンポン玉の代わりにボールを使う、「HEADIS(ヘディス)」で遊ぶこともできます。
イメージは「ヘディング卓球」。ラケットを使わず、ヘディングで卓球をするそうです。
もちろん、しっとりとお酒を楽しむことも可能。
深夜まで営業していますから、仕事帰りにフラリと立ち寄るのも良さそうです。
つい飲みすぎてしまっても、すぐに帰れますしね。
3階、4階はオフィスフロア。
オフィスフロアと言っても、いわゆるサッパリとした「オフィスビル」とはかけ離れた雰囲気。
年季の入った建物を、極力活かした内装です。
3階にはスモールオフィスが10室、4階に8室。
フロアの中央は共用のオープンスペース。
煮詰まったら歩きまわったり、テーブルを変えたりしながら自由に仕事ができます。
4階にはコワーキングスペースを備え、チームでの打ち合わせも可能。
空間の一部は小上がりになっていて、自宅にいるかのようにリラックスして仕事に取り組めます。
つい、ゴロンと寝転がりたくなりますが、あくまでオフィスのTPOの範囲内で。
そうは言っても、入居者さんのなかに、オフィスまで借りる方はあまり多くないかもしれません。
それでも、たまに持ち帰ってきた仕事や、勉強に集中できる場所が欲しいときは、きっとあるはず。
3階の一角にある「unico farm」は、いわば自習室です。
※2020年7月現在、コアワーキング「創荘」さんへ変更されています。
WEBから予約をしておけば、契約不要でブースを使うことができます。
※2020年7月現在、を住人限定で時間制利用へ変更されています。
テーブルや椅子は、1階の3Dプリンター工房で作られたものだとか。
利用可能な時間は9時から21時。
平日は1回1000円、土日祝日は2000円で、時間内なら使い放題。なかなかの好条件です。
入居者さんには割引も検討しているとのことで、興味のある方は運営事業者さんへお問合せを。
シェアハウスのあるB棟の1階には、コインランドリーが入っています。
シェアハウス内にも洗濯機はありますから、布団や毛布などの大きな洗濯物や、旅行帰りなどで溜まった洗濯物を一気に乾燥してしまいたい場合などに重宝しそう。
待ち時間で自室に戻っても、時間のロスがありません。
専用のアプリに登録すると、洗濯物が終わったタイミングで通知してくれるとか。一層待ち時間を減らすことができます。
3棟のうち、1番左に建つ「unicourt」。
A棟、B棟より、少々タフな印象を与える外観。
扉の先は…
バスケットコート!
1面コート+ハーフコートのL字型の空間。練習だけでなく、大会なども対応可能とか。
バスケットボールだけでなく、ダンスや撮影での利用もOK。
予約がない時は住人割引で利用できます。
天井の高さを活かし、ドローンの撮影会で利用されたこともあるそうです。
残念ながら写真はありませんが、A棟の最上階には女子プロレスの道場が入っていて、大会や興行も定期開催されています。
※2020年7月現在、女子プロレスの道場はクローズしています。
運営事業者さんも先日初めて観戦したそうで、すごい熱気でとても面白かった、とのこと。
すぐ隣のビルですし、フラリと足を運んでみては。
最寄り駅は言わずと知れたターミナル駅、各線・川崎駅。
JRは京浜東北線、南武線、東海道線が乗り入れ、品川までは9分、横浜まで13分、東京駅まで18分とすべて直通。
JR川崎駅の正面にある京急川崎駅からは、羽田空港まで15分でアクセスできます。
夜遅くまで営業しているお店も多く、仕事の忙しい方でも便利な環境です。
駅直結の「アトレ川崎」をはじめ、たくさんのショッピングビルの並ぶエリア。
そして再開発エリアから一歩はずれてみれば、いまだ残る圧倒的にディープな街角。
買い物に出るのも飲み歩くのも、歩ける範囲で思う存分、という街ではないでしょうか。
シェアハウスの運営管理は、有限会社NENGO HOTELSさん。
「unico」の企画を手がけたコンサルティング・建設会社「株式会社NENGO」さんの子会社で、シェアハウス運営のほか、「川崎日進アパートメント“85”」から徒歩2分ほどの場所でゲストハウスの運営も手がけています。
プロジェクトに関わったスタッフさんのなかには、前職でシェアハウスの企画運営を手がけてきたベテランも。
ゲストハウスの日常業務も担当するスタッフさんが、シェアハウスに住みながら管理をしているそう。
入居者さんの意見を聞きつつ、これからも空間づくりを進めていく予定。
忙しいスタッフさんに代わり、入居者さん同士で話し合って決まったルールもあるそうです。
シェアハウスの枠にとどまらない、多様な暮らし方が何よりの魅力。
複合施設全体の交流会も定期開催されているそうで、オフィスの利用者さんや店舗のスタッフさんとも顔を合わせる機会があります。
この建物とは深く関わってみたほうが、より面白い暮らしになりそうな気がします。
2018年6月現在、空室はあとすこし。ピンと来た方、お問合せはコチラから。
大きな建物を、めいっぱい使う。
ここでの暮らしは、楽しんだもの勝ちです。
(テルヤ)
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