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通りの気配とともに運ばれてくる、一瞬のひらめき。


リバーサイドテラス 青葉代官山」を訪れて、ふと思い出したFRISKのCM。

「公園・18%」「プール・2%」といった調子で、日常のシーンとともにアイデアの閃きやすさが次々に映し出されるというものです。CMの最後に登場するのは無表情なサラリーマンたちの姿と、「会議室・0%」の文字。

Hello, idea」のフレーズが話題になりました。

シェアハウスが建っているのは、なにかと刺激が多い中目黒・代官山・池尻大橋のあいだのエリア(池尻寄り)。この界隈のショップには、入り口の外にベンチやデッキチェアを出して、街の空気との一体感を楽しむ文化があります。

そんな文化を継承するのが、この家で一番のアイデアボックスになってくれそうな、ウッドデッキのテラス。

晴れた日にテラスへ持ち出すのは、併設されたカフェスペースのミルで丁寧に淹れたコーヒーにアイデアを書き留めるノート、お気に入りのペン、それに本を一冊。

通りを歩く人のほどよい気配を感じつつ、目を閉じて考えをめぐらせたり、ノートにペンを走らせたり。すこし疲れたらコーヒーをひと口すすって、空を見上げる。

そうしている内に、やがて降ってくるアイデアの神様。Hello, idea。


中目黒駅からは、山手通りをひたすらまっすぐ。

2013年に屋上庭園がオープンした大橋ジャンクションの近くで大通りを外れ、住宅街に足を進めます。山手通りも首都高もほど近い割に、意外にも静かなエリアに現れる白い建物が「リバーサイドテラス 青葉代官山」です。

元々は目黒区が所有していた施設だったのだそう。建物自体にあまり大きな変化はないそうですが、ブルーのパーティションは存在感があります。うっすらと中の様子も伺えますが、こちらは後ほどゆっくりと。

建物に向き合って、ちょうど真ん中当たりに位置するガラス扉が入り口。

ドアの前にはスロープもあります。大きなスーツケースや室内で保管しておきたい自転車などを運ぶときにも便利ですね。

内廊下は青みがかったグレーをベースに、カラフルなドアが並びます。

その中のひとつ、空色のドアを開けてみます。ガチャリ。


ドアを開けた瞬間に風がスッと抜けるような、さわやかな空気と光景が目の前に。

こちらはリビング…ではなく、カフェスペース。入居者さんがカフェの運営体験をすることも可能だそうです。

本物のカフェというだけあって、やはりどこか普通の家のリビングにはない雰囲気が漂います。

上下スウェットで出てくるのはちょっぴり気がひける、適度な緊張感。オンオフの切り替えはハッキリつきそうです。

TVが天井近くに設置されているのも飲食店らしい雰囲気に一役買っているのかも。

ひかりTVも見られます。ミュージックビデオを流す番組や名作バラエティ・アニメ類の再放送など、地上波放送に飽きた人はチェックしてみると面白い番組が見つかるかも。

窓辺にはカウンターテーブルが。

気分転換にここで仕事をするのも捗りそうだな、と思っていると、手元にはなんとコンセント。

電源カフェさながらの設備。

共用部は、作業のできる場所からコンセントが遠いこともよくあります。長時間の仕事などには重宝しそう。

カウンターの対面に位置するテーブルスペースは、一番カフェらしいゾーンです。

天井近くにずらりと並んだお酒のボトルが、夜の過ごし方を物語っているような。

インテリアのアクセントは、カラフルなストライプ。

椅子は神南のショップSWITCHのプロダクト。ロゴ入りのプレートやデザインから感じる遊び心が、なんだかこのエリアらしくて良いですね。


カフェスペースの折り戸を開放すると、その先にデッキテラスが続きます。

さっそく、外へ出てみます。

テラスとしては、割と人数がいても楽しめる密度。

個人的には、ひろーいスペースにテーブルセットがひとつだけという状態よりも、カフェのテラス席ぐらいの密度感が良いなと思います。

大型の木製家具は屋外用で、雨に濡れても大丈夫なのだそう。

雨除けもついていて、ある程度は雨や日差しを防ぐことができます。春や秋など、穏やかな気温の季節には外で食事や仕事をするのも気持ちが良さそう。夏には夜風に吹かれつつビールを一杯、なんてシーンも増えそうです。

1階で道路に面していることを忘れてしまう居心地の良さ。スリットの入ったパーティションが道路側からの目線を適度に切りながら、閉塞的にならないようバランスを取っています。

椅子に座るとグリーンが目に入るのも高ポイント。

どこからか担当のスタッフさんが見つけてきたというアンティーク調のアイテムも、どこか非日常的な空気を生み出します。


それではカフェスペース側に戻り、キッチンへ。

カフェ運営ができる設備ということで、キッチンは業務用。

業務用ならではのスタイリッシュなデザイン。そして、この存在感。

整った設備は、やる気も高めてくれるものです。

従来の単身者向け住宅と比較すれば、圧倒的にキッチンが充実していることが多いシェアハウス。今までまったく料理をしなかった人が、入居後あれよあれよという間に料理に凝るようになった、なんて話はよく耳にします。

強い火力で調理のできる4口ガスコンロに、

ビルトインタイプのオーブン。

シンクには浄水器もついています。

これだけ設備が揃っていれば、あとはやってみるだけ。ささっと料理を作って、ゆったりとテラスで食事をとる休日。食事のあとは、目黒川に沿ってぶらりとショップをチェックしに出掛けるのはどうでしょうか。


続いて、共用の水まわり設備を見て行きます。

フロアにひとつずつある、シンプルなシャワールーム。

日常的に湯船に浸かりたい方は、3Fの部屋を選ぶのが良さそうです。ただし、バスタブが使用可能な配置の部屋は女性専用ですのでご注意を。

壁の間にスッキリと収まった洗面台。

収納スペースは比較的余裕あり。日常的に使うものは置いておくのが便利そうです。2階も水まわりの間取りはほぼ同じですが、洗面台の代わりに洗濯機が設置されています。

ウォシュレット付きのトイレは2つ並んでいます。

男性用、女性用などの決まりは特にありません。共用部の掃除は清掃業者さんが入りますし、人数を考えても快適に使用できるのでは。

ちなみに、101号室と201号室は水まわりユニットに隣接しています。使用頻度もそれなりに高い場所ですし、音が気になる方は現地での確認をおすすめします。


それでは、カラフルなドアを開けて各部屋を見ていきます。

部屋のタイプは大きく3つに分かれます。ミニキッチン付きのスタンダードなタイプ、キッチンに加え水まわりのついた少し広めのタイプ、そして3〜4人ごとに小さな共用部のあるタイプ。

SOHO・DIYがOKの部屋も多く、自由度はかなり高めです。


まずは黄色のドア、スタンダードタイプの105号室。

DIY可能ということで、元々の内装はごくシンプルに。もちろん、そのまま生活しても全く問題ありません。

とはいえ、せっかくのDIY-READY案件。ぜひ挑戦してみて欲しいものです。

フローリングを貼ってみたり、壁を塗装してみたり。生活スタイルに合わせて簡単な間仕切りのようなものを作っても良いかもしれません。時間をかけて少しずつ手を加えていくのが醍醐味です。

お湯を沸かしたり、スープを温めたりする程度ならミニキッチンでも充分。

自炊派の方は「本格的な調理はキッチンで」と使い分けると良いかと。

そんなわけで、シンクは小さめです。

部屋の奥の掃き出し窓から外を見てみると、デッキテラスが広がっています。

ここは102〜107号室の入居者さん専用。あえて仕切りを設けず、大きな共用スペースとした割り切りがなかなか新鮮です。

ただ、部屋のカーテンはなるべく早めに用意しておいた方が良さそうです。


205号室はキッチンの位置が105号室とは反転したタイプ。

基本的な間取りは同じです。

既存の収納はどの部屋にもないため、収納家具は自分で準備が必要です。時間はかかりそうですが、DIYで造作してみるのもアリかも。

2階の部屋には、テラスの代わりに専用のベランダが付いています。

隣の建物からの視線もないですし、洗濯物や布団も心置きなく干せるはず。

テラスを取るか、ベランダを取るか。

このあたりは距離感の取り方や生活スタイルによって、好みが分かれそうです。


208号室は、水まわり設備付きの広めのタイプ。

居住スペースと水まわり設備スペースにざっくりと分かれていて、使いやすそうな間取りです。

2名入居もOKで、カップルや友人同士での入居にも良いかも。とは言え、最初はお互い荷物は少なめにしておいたほうが、快適に過ごすことができそうです。

ガラス戸を開けると、少し奥行きのあるベランダ。

テーブルセットを出すのは難しいと思いますが、物干し程度なら充分。

ミニキッチンと水まわり設備のあるスペースは、一段上がった場所にあります。

ミニキッチンの奥が水まわりゾーン。

部屋の中に独立洗面台があるのは、朝の忙しい時間帯、特に便利。

ひとり暮らしからの引越しに嬉しい、洗濯機置き場もあります。シェアハウスへの引越しのとき家電類を処分してきた、という話は多いのですが、まだまだ使えるものを活かせるのは良いですね。

脱衣スペースがしっかり確保されたシャワールーム。

トイレもウォシュレット付きで、設備としては共用のものと変わりありません。

専有部の水まわり設備としてはかなり贅沢な仕様です。3点ユニットには抵抗があっても、これなら!と思う方も多いのでは。


3階のルーフバルコニーは、デッキテラス。

1階と同様に明るい色のデッキが敷かれ、椅子の背もたれも休日モードの角度。意外にも周辺に高い建物が少なく、空は広く感じます。

大きなサイズで、朝ヨガなんてやってみたら気持ちが良さそうです。

のんびりと昼下がりを楽しむも、何人かで賑やかに語らうも良し。心地の良い屋外の空間が贅沢です。


ということで、今回は各線・中目黒駅を起点に訪れてみました。

副都心線直通の東横線日比谷線が乗り入れ、渋谷までは2分、霞ヶ関までは13分、池袋まで急行なら16分と全て直通です。東横線ユーザーとしては、特急が停まる点が見逃せません。

ただし、最寄り駅は中目黒とは反対方面へ6分ほど歩いて辿り着く田園都市線池尻大橋駅。渋谷に出るなら池尻大橋を使うのが良さそうですね。

説明するまでもなく中目黒は、どこかひねりの効いた隠れ家のようなショップが点在する玄人好みのエリア。

キラキラと華やかな表参道や青山に対して、中目黒はマットで気張らない、でもちょっとだけエッジが効いたテイストでしょうか。

充実した食事情も嬉しいところ。

ピザ職人の世界選手権で3年連続優勝した職人さんがいることで有名なピザ屋さんに、TVなどでも取り上げられる野菜スイーツが食べられるカフェ、高級焼肉店もずらりとならび、毎日外食でも飽きないほどのラインナップ。

すこし足を伸ばせば代官山や恵比寿ですし、休日にあまり遠出をしなくても、なかなかに楽しめてしまうと思います。


リバーサイドテラス 青葉代官山」運営・管理は「株式会社シェア・デザイン」さんが行います。

デザイン性が高く、遊び心の詰まった空間づくりが特徴的です。

中規模のシェアハウスを中心に11物件を運営していますが、毎度新しい試みを行っています。今回も入居者さんがカフェ運営ができるという、かなり飛ばしたアイデア。

スタッフさんは若い方が多く、現在の仕事に就くまでの背景が実にバラエティ豊か。俳優業のキャリアや、パイロットの資格を持っている方もいるという混成チームだからこそ、「まず、楽しそうなことはやってみよう」という姿勢が一際強いのかもしれません。

現在(2014年1月)は満室とのことですが、空室を見つけたときにはコチラからお問い合わせを。

東横線沿線で探している方には、元住吉に近日オープンする女性専用の「Share Residence 元住吉」も要チェック。近日中に続報もお知らせできる予定です。


ドアを開けた瞬間の、パッと視界が広がる感覚。

アイデアが落ちてくる瞬間は、いつもたまりません。

(テルヤ)

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